仕事中に感じる嫌な思いとの付き合い方

仕事をする上で、人間関係で悩みがある人はいらっしゃいますか?
いじめを受けている人はいらっしゃいますか?
もしあなたの取引先の人があなた個人に対して見下すような仕打ちをしてきたらどうしますか?

ハワイで不動産関係の仕事をしていたときのことです。

不動産エージェントのある女性がいました。本人とお直接会い、顔と顔を合わせてやり取りをするときはごく普通なのに、Eメールを介するとなぜかとげのある意地悪なメールを送ってくる女性でした。
はっきり言って私のことを馬鹿にしているとしか思えないようなメールの書き方に、一緒に仕事をしている主人も同感。
仕事のやり取りを続けるうちに、私はこの女性とのやり取りは控えめに、最低限にするようになりました。

メールのやり取りの数は減ったものの、毎回彼女からのメールが来ると私の気分は落ち込み、メールを開ける気もしませんでした。
受信ボックスに彼女からのメールがあるだけで、お腹のあたりがズシリと重くなる感じがしました。いざメールを開けてみると、いつものようにとげのある言い方。普通にコミュニケーションをすればいいのに、なぜか相手は攻撃モード。
毎回戦いのような緊迫感のあるメールの返信に辟易し、もうやり取り自体が嫌になったものです。なぜ相手はこんな仕打ちをするのだろう?と考えましたが、私の不動産業に対する知識が少ないから、ばかにしているとしか考えられませんでした。

最後にはすべて仕事上パートナーである主人に任せてしまって、私は二人のやり取りを見守るしかありませんでした。
(主人と彼女のやり取りはある程度スムーズにいっていました。主人のほうが不動産の知識があるからでしょうか。彼女がどうしてそんな言い方をしてくるのかは、それは彼女にしかわからないことです。)

数か月間の取引が終わり、もうこの女性とはやり取りをしなくても済む。となったときには嬉しかったです。しかし、私の中で彼女に対するフラストレーションは私の心の中に深く刻み込まれたようで、ことあることに彼女の名前が浮上すると、嫌な気持ちとともに苦い思い出が蘇りました。
そこで、このまま何もせずに嫌な思いを抱いて人生を進むのは嫌だなと思い、メディテーションを通じて「苦悩のこころ」の本質を探ってみようと試みました。

ステップ1.自分が美しい心の状態でないことに気づく。

ステップ1は簡単です。もう取引はしていないから彼女とは一生顔を合わせなくて済むといえども、本当に全てのことに対して吹っ切れていない私がいます。 彼女の名前が浮上したときには「あの人、本当に意地悪な人だったよね。」と嫌な気持ちになり、ああいうことがあったなあと苦い思い出として残っています。
過去の嫌なことを思い出している時点で、もう美しいこころの状態ではないのです。

ステップ2.どんな感情が巻き起こっているか、観察してみる。

彼女のことを考えているとき、どんな考えが頭に浮かぶか。

  • どうしてあんなひどい意地悪な言い方をするんだろう。
  • 私ばかりに嫌な思いをさせるのはなんでだろう。
  • あんな仕打ちをされて許せない。
  • 私よりも知識があるからって、ばかにしている。

このような感情が頭の中にぐるぐると回っている感じがします。

ステップ3.本質をみつける。

これらの頭の中でぐるぐるとした思考のもとはなんでしょうか。苦悩の状態でいるときは、普通自分中心の考え方である場合が多いです。上のリストを見ると、わたしの場合もすべて「ワタシ、ワタシ、ワタシ。」どうして私ばかりこんな思いを?という思いも、ワタシ中心。あんなひどい言い方をして、私をこんな思いにしている、許せない、という思いもワタシ中心。私を馬鹿にして許せない、というのもワタシが中心。
そして、苦悩の状態でいるときは、普通自分の理想像にしがみついている場合が多いのです。そこで、私の場合、どんな自分の理想像にしがみついていたのでしょうか。

わたしは今まで頑張ってアメリカの大学でビジネス課で優秀生として卒業し、ハワイ州不動産エージェントのライセンスも取りました。それなりにプロフェッショナルに自分のやることに誇りをもって仕事をしているつもりでした。しかし、実際不動産の知識に関して、この女性から「不動産に関する知識がない人」のような扱いを受けた。「スマートな女性」という自分の理想像に無意識にしがみついていた私は傷ついたわけです。

実際に本当に彼女のほうが不動産の知識があったかもしれないし、別に同じくらいだったかもしれないし、経験上そんなに変わらなかったかもしれない。 事実上どうであったかはあまり大事ではなく、結局のところ、彼女に「スマートじゃないわね」と馬鹿にされたことが私のプライドを傷つけ、私のエゴを浮かび上がらせたのです。もし私が「頭がいい女性」という理想像にしがみついていなければ、馬鹿にされてもそこまでイライラしなかったと思います。

ステップ4.本質がわかったうえでする行動とは

私の場合、もう取引が終わっているので、彼女に対してすることは何もありません。
もう過去のことだと流してしまえばいいだけです。大事なのは、将来。これからもしまた誰かから自分に対して馬鹿にするような言い方をされたらどうするか。そんな時は自分に問いかけてみようと思います。「自分がスマートである」という理想像にしがみついていないかな?と。
エゴを持たずに生きることができれば、どんなに楽に人生を生きることができるのかと悟ることができました。今ではそんな経験に感謝しかありません。

皆さんも、このように仕事上で嫌な思いをしたことはありますか?体験談、コメント、質問をお待ちしております!

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